夫の年金が月20万円だった場合、妻はいくら受け取れる?80代の遺族年金をわかりやすく試算 | ミツケテ

夫の年金が月20万円だった場合、妻はいくら受け取れる?80代の遺族年金をわかりやすく試算

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長年連れ添った夫を亡くしたとき、最も気になるのは生活費の確保です。
「夫の年金がなくなったら、私はどれくらいもらえるのだろう」と不安に感じる方も多いでしょう。ここでは、80代の妻が受け取れる遺族年金の金額をシミュレーションし、生活を安定させるための実践的な方法を紹介します。年金の仕組みを理解しておくことで、安心して老後を過ごす第一歩につながります。

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遺族年金の基礎知識

遺族年金とは、家計の中心を担っていた配偶者が亡くなった際に、残された家族の生活を支援するための制度です。主に「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があります。

種類加入対象支給対象支給内容
遺族基礎年金国民年金加入者子のいる配偶者または子年額約80万円+子の加算
遺族厚生年金厚生年金加入者配偶者・子・父母など夫の報酬比例部分の4分の3を支給

80代の妻の場合、子どもが成人していることが多く、「遺族厚生年金」のみが支給されるケースが大半です。


遺族厚生年金の基本構造

遺族厚生年金の支給額は、亡くなった夫が受け取っていた厚生年金の4分の3が目安になります。つまり、夫の年金が月20万円の場合、おおむね15万円前後が妻に支給される計算です。

ただし、これは単純計算であり、実際の金額は次の条件で変わります。

条件影響する内容
夫の平均報酬月額年金の基礎額を決定
夫の加入月数長いほど支給額が増える
妻の年齢・生年月日加給年金の有無に影響
妻自身の年金併給調整の対象になる

また、夫が厚生年金に長期間加入していた場合、平均報酬や期間が支給額に大きく影響します。年金事務所では個別の試算が可能なので、正確な金額を知りたい場合は必ず相談することをおすすめします。


夫の年金が月20万円だった場合の試算

次に、実際に金額をシミュレーションしてみましょう。
夫の年金が月20万円、妻が80歳、子どもは独立していると仮定します。

項目内容
夫の年金総額月20万円(厚生年金+基礎年金)
妻の年齢80歳(老齢年金受給中)
妻の老齢基礎年金月6万6千円
妻の老齢厚生年金月5万円
子ども独立済み(加給年金なし)

試算結果

内訳金額(概算)
遺族厚生年金(夫の厚生年金の4分の3)約9万円
妻の老齢基礎年金約6万6千円
妻の老齢厚生年金約5万円
合計支給額(目安)約20万6千円前後

このように、夫の生前の年金額とほぼ同水準を維持できるケースもありますが、併給調整によって金額が変わることもあるため注意が必要です。


併給調整の注意点

遺族年金と老齢年金は、重複して全額を受け取れるわけではありません。重なる部分については「併給調整」が行われ、有利な方のみが支給されます。

状況支給の可否
老齢基礎年金と遺族厚生年金どちらも支給される
老齢厚生年金と遺族厚生年金どちらか一方(有利な方)
加給年金と遺族厚生年金原則支給停止(重複不可)

年金事務所では、併給調整をふまえたシミュレーションを行ってくれます。実際にどちらを選んだ方が有利かを必ず確認することが大切です。


遺族年金を受け取るための手続き

遺族年金は自動的に支給されるわけではなく、申請しなければ受け取れません。
提出書類をそろえ、年金事務所または市区町村役場に申請します。

必要書類提出先注意点
年金請求書(遺族厚生年金用)年金事務所亡くなった日から5年以内に申請
戸籍謄本市区町村役場夫婦関係を証明
住民票(世帯全員分)市区町村役場最新情報で提出
死亡診断書または死体検案書医療機関で発行原本提出
年金手帳または基礎年金番号通知書妻の管理分も含め提出紛失時は再発行可

申請から支給開始まで1〜2か月ほどかかります。
早めに申請を行うことで、生活の空白期間を防げます。


80代の妻が特に注意すべき3つのポイント

  1. 加給年金は支給されない
     65歳以上で子どもがいない場合、加給年金の対象外です。
  2. 口座の凍結に注意
     夫名義の口座は死亡後すぐに凍結されます。事前に妻名義の口座へ変更しておくことが重要です。
  3. 税金の取り扱いを理解する
     遺族厚生年金は非課税ですが、老齢年金は課税対象です。確定申告では分けて申告する必要があります。

また、生活費の見直しも欠かせません。夫婦での支出から一人暮らしへ変わることで支出項目が変化します。以下の表のように整理しておくと、生活設計が立てやすくなります。

支出項目減少・増加対応策
食費減少外食を減らし自炊を中心に
光熱費ほぼ変わらず節電・節水を意識
医療費増加傾向高額医療費制度を活用
介護費用増加介護保険の利用検討

生活支援制度の併用も検討を

遺族年金だけでは生活が厳しい場合、福祉サービスの活用が有効です。
多くの自治体では、以下のような支援制度を実施しています。

支援内容対象補助内容
家賃補助制度低所得の高齢者家賃の一部を補助
医療費助成高齢世帯医療費の自己負担を軽減
介護保険料の減免一定所得以下保険料を半額〜全額免除
高齢者生活支援サービス単身高齢者家事・買い物支援など

これらの制度は、遺族年金との併用が可能です。市区町村の福祉課に相談すれば、生活状況に応じた支援内容を案内してもらえます。


まとめ

項目内容
夫の年金額月20万円
妻の遺族厚生年金約9万円前後
妻の老齢年金約11万円前後
合計支給額(目安)約20万円前後

80代の妻が受け取る遺族年金は、夫の厚生年金の4分の3が基本です。妻自身の年金と合わせると、20万円前後になるケースが多いものの、加入期間や報酬額によって変動します。

遺族年金の手続きや支給条件は複雑ですが、早めの申請と正確な情報収集が老後の安心につながります。
不安な場合は、年金事務所や自治体の窓口に相談し、今後の生活を見据えた計画を立てておくことが大切です。

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