子どもの自転車はどこを走れば安全か?2025年4月から「罰金6000円も」歩道通行ルールを徹底解説 | ミツケテ

子どもの自転車はどこを走れば安全か?2025年4月から「罰金6000円も」歩道通行ルールを徹底解説

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「車道は危ないから、歩道を走ってね」――そう言って子どもを送り出す親は少なくありません。
しかし、2025年4月から道路交通法が改正され、自転車の歩道通行に罰則が設けられます。
これまで見過ごされてきた“なんとなくの安全”が、法律によって明確に線引きされる時代です。
この記事では、子どもが歩道を走れる正当な条件と、家庭で実践できる安全指導のポイントを分かりやすく解説します。

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自転車の歩道通行が原則禁止とされる理由

自転車は法律上、「軽車両」に分類されます。したがって、基本的には車道の左側を通行するのが原則です。歩道は歩行者のための空間であり、自転車が侵入すると接触事故を起こす危険があります。
特に、子どもが操作を誤って歩行者にぶつかるケースは後を絶ちません。わずかな衝突でも、相手が高齢者であれば骨折などの大けがにつながることもあります。

警察庁は、こうした事故を減らすために「自転車指導警告累積制度」を強化しました。今後は、危険運転を繰り返す利用者に対して、反則金を課す方針を明確にしています。

主な違反行為内容想定される罰則
歩道の無断通行指定がない歩道を走行反則金 約6000円
徐行義務違反歩行者がいるのに減速しない反則金 約5000円
信号無視・一時不停止交差点での危険行為反則金 約6000円

自転車は車ほどの速度が出ないとはいえ、扱い方を誤れば十分に凶器になり得ます。「子どもだから」という理由での免除は、今後ますます難しくなるでしょう。


歩道を走っても良い特例とは

自転車は原則車道を通りますが、次のような条件に該当する場合のみ例外的に歩道通行が認められます。

区分内容
13歳未満の子ども小学生以下は安全確保のため歩道を通行できる
70歳以上の高齢者車道走行が危険と判断される場合
身体に障害のある人車道通行が困難な場合
「自転車通行可」の標識がある歩道標識があるときに限り通行が許される
車道通行が危険な場合大型車が多い、路肩が極端に狭いなどの場合

つまり、13歳以上の中学生からは原則として車道走行が義務となります。
保護者が「安全のため」と判断して歩道を走らせても、法律上の条件に該当しなければ違反とみなされることがあります。

一方、都市部や通学路の一部には「自転車通行可」の標識が設置されています。標識があるかどうかを確認する習慣を、親子で身につけておくと安心です。


歩道走行時のルールを守ることが前提

歩道を走行できる場合でも、守るべきルールが存在します。
その根底にあるのは、「歩道では歩行者が最優先」という考え方です。

ルール内容
歩行者優先歩行者を妨げてはならない。追い越すときは声をかけるなど配慮する
徐行義務すぐに停止できる速度で走る。歩行者が多いときは一時停止も
通行位置の指定歩道の車道寄りを通行する。建物側を走るのは危険
ベルの乱用禁止歩行者をどかす目的で鳴らすのは禁止。危険回避時のみ使用
交差点では一時停止車道への出入り口では必ず左右を確認する

これらを守らないと、たとえ子どもでも事故を起こした際には過失責任を問われることがあります。
実際に、歩道で自転車に接触された歩行者が重傷を負い、保護者に数百万円の損害賠償を命じられた例も報告されています。
歩道を走るならば、「いつでも止まれる速度」「歩行者の動きを予測する意識」が欠かせません。


罰則強化の背景にある社会的課題

今回の法改正には、単なる取り締まり強化だけでなく、社会的な安全意識の再構築という目的があります。

背景要因現状
歩行者との接触事故増加自転車事故の約4割が歩道上で発生
高齢化社会被害者の多くが高齢者で重傷化しやすい
自転車利用の拡大通勤・通学・観光などで利用者が急増
違反行為の常態化「少しくらいなら」という意識の蔓延

警察庁は「安全教育だけでは限界がある」として、一定の抑止力を持つために反則制度を導入しました。
この制度では、悪質な違反者には講習の受講が義務付けられ、未受講の場合は刑事罰の対象となることもあります。
一見厳しいように感じますが、これは「自転車を車両として扱う」という本来のルールを社会に浸透させる第一歩なのです。


保護者ができる安全対策

子どもの自転車事故を防ぐためには、家庭での教育と習慣づけが何より重要です。
安全な走行は一朝一夕で身につくものではなく、繰り返し教えることが効果を生みます。

対策具体的な行動例
ヘルメットの着用転倒時の死亡率を大幅に下げる。2023年から努力義務化
ブレーキ・ライト点検週1回の点検を習慣化。特に雨の日の後は要確認
通学路の確認交差点や信号の少ない安全ルートを選定する
走行練習の実施公園などでブレーキ操作や左右確認を練習
親子でルール共有危険な行為を見かけたら一緒に理由を話し合う

また、地域の交通安全教室への参加も有効です。実際に警察官が指導することで、子どもがルールを「体で覚える」きっかけになります。
家庭では、「危ないからではなく、どうすれば安全に走れるか」を一緒に考える姿勢が大切です。


安全なスピードへの誤解と注意点

「ゆっくり走れば大丈夫」と思いがちですが、実際の事故の多くは低速走行中に発生しています。歩行者との距離感を誤り、わずかな接触で転倒させてしまうことも少なくありません。

また、速度だけでなく「視線」や「判断力」も重要です。子どもは視野が狭く、周囲の動きに気づきにくい傾向があります。保護者が後ろから見守りながら、「どこを見ているか」「どう止まっているか」を観察し、改善を促すとよいでしょう。

注意すべき行動危険の理由
前方だけを見て走る横からの飛び出しに対応できない
両手運転を怠るバランスを崩しやすく転倒リスクが高まる
携帯や音楽を聞きながら走る注意力が散漫になり危険を察知できない

「遅い=安全」ではありません。安全とは、常に止まれる準備ができている状態を指します。


地域と家庭が連携して守る交通マナー

法律が整備されても、最終的に安全を守るのは地域と家庭の協力です。
多くの自治体では、通学路の危険箇所にガードレールやカラー舗装を設置し、子どもが車道を走りやすい環境づくりを進めています。
また、PTAや町内会による「登下校見守り活動」も全国に広がっています。地域の大人たちが見守ることで、子どもの安全意識も自然と高まります。

家庭でも、次のような習慣を持つと良いでしょう。

  • 毎朝「ヘルメットつけた?」と声をかける
  • 自転車に乗る前にライトを確認する
  • 家族で事故のニュースを見て意見を交わす

小さな声かけが、事故を防ぐ大きな力になります。


まとめ

自転車は身近で便利な乗り物ですが、扱い方を誤ると他人を傷つける危険な存在にもなります。来年4月の法改正は、単なる罰則ではなく、「社会全体で命を守る意識を持つ」ための改革です。
速度を落とすだけでなく、ルールを理解し、歩行者への思いやりを忘れないこと。それが本当の安全運転です。

親が正しい知識を持ち、子どもがその背中を見て学ぶ。そんな積み重ねが、事故のない社会をつくります。
そしてその意識は、今日の一回の声かけから始まるのです。

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