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要約
この記事の主な内容は、共働き世帯における年収(世帯所得)の実態をデータに基づいて見て、「1000万円以上」の世帯はどのくらいの割合か、平均値はいくらか、また収入の分布(どの収入帯が多いか)を明らかにするものです。
- 共働き世帯で年収1000万円以上の割合
総務省の「令和4年就業構造基本調査」によれば、共働き世帯の総数は約 4,196,700 世帯。そのうち年収(世帯所得)1000万円以上(1000〜1249万円、1250〜1499万円、1500〜1999万円、2000万円以上などの階級の合計)は 約20.32%。つまり、共働き世帯の約2割が年収1000万円以上。 - 共働き世帯の平均年収
総務省の家計調査(2022年)によると、夫婦共働き世帯全体の実収入(一ヶ月)の平均は 約69万2664円。これを12ヶ月換算すると 約831万1968円。 また、「世帯主が夫である共働き世帯」において、妻の収入の額によって世帯年収が大きく変わる。妻の月収が 1〜7万9999円 の場合は年約744万3372円、妻が月収 8万円以上の場合は約935万6364円。 - 年収階級の分布(ボリュームゾーン)
共働き世帯において最も多い世帯所得階級は「500〜599万円」で、この層が大きな割合を占める。上位の年収帯(1000万円以上)は少数派。収入帯「300〜699万円」が多く、「300–699万円以下」の階級を合計すると共働き世帯の約44.33%になる。
誤り・誤りの可能性がある箇所/注意点
いくつかの点で注意が必要、または誤解を招きやすい可能性があります。
- 「年収1000万円世帯=高所得」という文脈での比較の曖昧さ
年収1000万円以上の割合が約2割というのは、「共働き世帯」の中での数字。世帯主が単独で稼ぐ年収とは違う指標であり、「個人年収」と混同すると誤解を生む可能性がある。 - 「収入」「所得」「実収入」「世帯所得」などの用語の違い
記事では「世帯所得」「実収入」という言葉が使われており、統計の取り方・税引き後かどうか、控除などを差し引いた後かどうかなどが明示されていない部分があるため、数字を比較する際には注意が必要。例えば「実収入」は手取りに近いかもしれないが「年収」と言うと税前・税込み等の違いがある。 - 最新データとのズレ・更新時期
— 世帯所得のデータは「令和4年就業構造基本調査」、「家計調査/家計収支編(2022年)」などを基にしている。これらは時点として若干古い可能性があり、インフレや賃金変動、雇用形態の変化などで現在値とは異なっている可能性がある。 - 地域・業種・働き方差が考慮されていない
共働きといっても、正社員/非正規社員、地方か都市部か、企業規模、年齢構成などで収入の幅が大きく異なる。記事はあくまで全国平均・全国データなので、自分の住む地域・職業等と比較すると大きく違うこともある。 - 妻の収入の階層分けの基準の曖昧さ
妻の収入「1〜7万9999円」「8万円以上」という区切りが設けられているが、その収入が「月収」か「手取りか総支給か」「フルタイムかパートか」などの条件が明示されていないため、比較対象があいまい。これによって「妻が8万円以上」の世帯の年収935万円という数字をそのまま「妻が高収入」という意味でとらえるのは危険。
読者がこの記事を読むことで得られるもの
この記事を読むことで、以下のような知見・実用的価値が得られます。
- 共働き世帯の年収分布の実態を把握できる。特に、「共働きなら年収1000万円はけっこう多いか」という問いに対して、「いい線だが過半数ではない」「共働きでも大きな収入差がある」という現実が分かる。
- 自分が住んでいる・働いている地域・世帯形態と比べたときに、自分の年収が「どのあたりに位置するか」を判断するための基準として使える。たとえば「共働き世帯だけど年収1000万円を超えるにはどれくらい必要か」「妻の収入を増やすとどれくらい世帯年収が上がるか」などの目安になる。
- 平均値だけでなく、収入階級ごとの分布(ボリュームゾーン)が示されており、「最も多いのはこのあたり」という感覚がつかめる。
- 共働きであっても、その収入がどのように構成されているか(世帯主/配偶者の収入)で大きく変わるという「収入構造」について理解できる。