先日、65歳で夫が急逝しました。生前、妻の私に「財産は全て渡す」と言っていましたが、預金は全額「私の口座」に移しても問題ないでしょうか？子供はいません。

夫が急逝した際、妻が預金を全額自身の口座に移せるかどうかは、遺言書の有無や法的手続きに依存します。本記事では、預金を含む財産の相続に関する一般的な手続きを解説します。これにより、遺産分割の方法や法的な対応を理解し、適切な手続きを進めることができるでしょう。

遺言書の確認が最優先

まず、夫が遺言書を残していたかどうかを確認することが最優先です。遺言書が存在する場合、その内容に基づいて財産分配が行われます。遺言書が法的に有効であれば、銀行預金の移転もその指示に従う必要があります。遺言書がない場合は、法定相続分に従い遺産が分割されます。

遺言書が存在しない場合、相続は民法に基づいて行われます。夫婦間に子供がいない場合、配偶者である妻が全財産を相続することが一般的です。しかし、夫に他の相続権を持つ親族（親、兄弟姉妹など）がいる場合は、彼らにも相続権が生じることがあります。この場合、遺産分割協議が必要です。

銀行預金を相続するためには、銀行での相続手続きが必要です。通常、銀行に対して必要書類を提出し、手続きが完了すると、相続分が移転されます。必要書類には、戸籍謄本や遺産分割協議書などが含まれます。銀行がこれらの書類を確認した後、預金の移動が許可されます。

相続が発生すると、一定の金額を超える財産に対して相続税が課されることがあります。相続税の申告期限は、相続開始を知った翌日から10か月以内です。相続税の計算や申告は複雑なため、税理士などの専門家に相談することをお勧めします。

相続手続きや税金に関して不明点や不安がある場合、弁護士や税理士などの専門家に相談することが重要です。専門家は、法的に正確なアドバイスを提供し、トラブルを避けるための具体的な手続きについても支援してくれます。

以上が、夫が急逝した場合の預金の相続手続きについての概要です。手続きを進める前に、遺言書の確認や法定相続人の把握をしっかり行い、専門家の助けを借りながら、スムーズな相続手続きを行うことが大切です。