2023年度、那覇市職員のメンタル不調（精神疾患）による休職者数が93人に達し、統計を開始した2016年度以降、22年度に続き過去最多となりました。この増加傾向は、職場環境の変化や新型コロナウイルスの影響など、さまざまな要因が絡み合っていることが背景にあります。
本記事では、この問題の詳細と原因、そして那覇市が取り組んでいる復職支援策について紹介します。
那覇市職員のメンタル不調による休職者数が増加
那覇市における職員のメンタル不調による休職者数が増加していることが明らかになりました。2023年度には、精神疾患を理由に30日以上の休暇や休職をしている職員が93人に上り、これは統計を開始した2016年度以降、過去最多の22年度と同数となっています。
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発症原因
メンタル不調の発症原因として最も多いのは、「業務に対する不安」です。特に部署異動による業務内容の変化が大きなストレスとなっていることが指摘されています。次いで、「職場での人間関係」が原因として挙げられています。これには、同僚や上司とのコミュニケーション不足や対立が含まれており、職場の雰囲気が職員のメンタルヘルスに影響を与えていることが示唆されています。
増加傾向
過去数年間のデータを見ても、メンタル不調による休職者数は増加傾向にあります。2021年度には77人だった休職者数が、22年度と23年度にはそれぞれ93人と急増しています。19年度は71人、20年度は76人であり、年々増加していることがわかります。
コロナ禍の影響
この増加傾向には、新型コロナウイルスの影響も大きく関与しているとされています。那覇市議会の6月定例会での答弁によると、コロナ禍後から休職者数が増えており、新型コロナ対応による業務の変動や業務量の増加が一因と考えられています。また、リモートワークの増加などにより人間関係が希薄化し、それがメンタル不調に繋がっているとも指摘されています。
復職支援の取り組み
那覇市では、休職者の復職を支援するための取り組みを強化しています。保健師が休職者の現状を把握し、復職支援に積極的に取り組んでいます。具体的には、メンタルヘルスに関するカウンセリングや、職場復帰に向けた段階的なサポートが行われています。これにより、職員が安心して復職できる環境を整えることを目指しています。
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職場環境の改善
さらに、市では職場環境の改善にも力を入れています。例えば、業務の効率化を図るための新しいシステムの導入や、業務量の見直しを行い、職員の負担を軽減する取り組みが進められています。また、職場でのコミュニケーションを活性化するための研修やワークショップも実施されています。これにより、職員同士の信頼関係を築きやすくし、メンタルヘルスの改善に繋げることを目指しています。
復職後のサポート
休職から復職した職員に対しても、那覇市は継続的なサポートを提供しています。例えば、復職後のフォローアップとして定期的なカウンセリングを行い、職場に順応するための支援を行っています。また、職場の上司や同僚にも、復職者をサポートするための研修を行い、復職者が円滑に職場に戻れるような体制を整えています。
今後の課題と対策
那覇市では、今後も引き続き職員のメンタルヘルス対策を強化していく必要があります。特に、業務に対する不安や職場での人間関係の問題を解消するための取り組みが求められます。また、コロナ禍が終息した後も、リモートワークの普及に伴う新しい働き方に対応したメンタルヘルスケアの方法を模索する必要があります。
具体的な対策としては、職員一人ひとりの業務内容や負担を定期的に見直し、適切な業務分担を行うことが重要です。また、メンタルヘルスに関する啓発活動を強化し、職員が早期に相談できる環境を整えることも必要です。さらに、メンタルヘルス専門のカウンセラーの配置や、職場内でのメンタルヘルス研修の実施など、職員が安心して働ける環境を整備することが求められます。
まとめ
那覇市では、メンタル不調による職員の休職が過去最多となるなど、深刻な状況が続いています。その原因としては、業務に対する不安や職場での人間関係の問題、新型コロナウイルスの影響などが挙げられます。市では、保健師を中心とした復職支援の取り組みを強化し、職員が安心して働ける環境づくりを進めています。今後も、これらの対策を継続し、さらに効果的なメンタルヘルスケアの方法を導入することが求められます。職員一人ひとりが健やかに働ける環境を整えることが、市全体の業務効率や市民サービスの向上にも繋がると期待されています。
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