デジタル化の波は、テレビのあり方にも大きな変革をもたらしている。特に、コネクテッドTV（以下、スマートTV）の普及は、我々のメディア消費行動に顕著な影響を及ぼしている。クロス・マーケティングとREVISIOによる「コネクテッドTV白書2024」の発表により、その変化の一端が明らかになった。この報告書は、スマートTVを通じたメディア消費の最新トレンドを解き明かすものであり、中でも動画共有サービス「YouTube」が地上波テレビを凌ぐ人気を博している点が注目される。
スマートTVとは？
スマートTVとは、インターネットに直接接続可能なテレビ端末を指す。従来のテレビ機能に加え、専用OSを搭載することで、ストリーミングサービスや動画共有サービスへのアクセスが可能になる。これにより、ユーザーは様々なコンテンツを自由に選択し、視聴できるようになった。この度の調査は、35,000名を対象にしたスクリーニング調査と2,000名の本調査、さらには関東エリアの2,000世帯からのCTV視聴データに基づいており、その結果はメディア消費の最前線を示している。
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YouTubeの隆盛
調査結果の中でも特に目を引くのは、「YouTube」の視聴時間が地上波6局を上回っているという事実である。日テレが平均58.9分/日で1位であるのに対し、YouTubeは53.4分/日で続く。これにより、YouTubeは地上波テレビ局よりも高い視聴率を誇るコンテンツとなっている。一方で、ストリーミングサービスでは「Amazonプライム・ビデオ」が14.4分/日であることから、YouTubeの独走が際立つ。YouTubeの成功は、視聴者がニュースからエンターテインメント、教育コンテンツまで、多岐にわたるジャンルを一つのプラットフォームで楽しめることに起因している。
共視聴の変遷と地上波の位置づけ
共視聴、つまり複数人でのコンテンツ視聴においては、結果が大きく異なる。地上波番組の配信を行う「U-NEXT」と「TVer」が上位を占めることから、共視聴における地上波コンテンツの魅力が浮き彫りになった。特に「U-NEXT」は、「Paravi」との合併を経て、『VIVANT』をはじめとする人気地上波コンテンツを大量に取り揃えており、これが共視聴を促進していると考えられる。この傾向は、共視聴という行為が社会的なコミュニケーションの場として重要であることを示唆しており、地上波コンテンツの持つ”共有体験”の価値が再認識されている。
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メディア消費の多様化
この調査報告書からは、メディア消費の形態が急速に、かつ大きく変化していることが確認できる。スマートTVとインターネットの普及により、視聴者は以前にも増して多様な選択肢を手にしている。YouTubeのようなプラットフォームが地上波テレビを上回る視聴時間を獲得している現象は、デジタルメディアの時代の到来を告げるものである。しかし、地上波コンテンツの共視聴が依然として人気であることから、新旧メディアが共存し、互いに補完し合っている状況も見て取れる。
まとめ
「コネクテッドTV白書2024」の発表により、スマートTVを通じたメディア消費の現状が明らかになった。YouTubeが地上波テレビを上回る視聴時間を獲得している一方で、共視聴においては地上波コンテンツが依然として強い魅力を持っている。この結果は、メディア環境の変化とともに、消費者のメディアに対するニーズの多様化を示している。今後、このようなトレンドの動向に注目し、メディアの進化と消費者行動の変化を追い続けることが重要である。
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