楽天グループ決算、15四半期連続の赤字「モバイル事業での損失719億円」純損益は424億円の赤字

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楽天グループの2024年1月から3月の第1四半期決算が発表され、同社は424億円の純損失を計上しました。この赤字は、モバイル事業の継続的な苦戦に起因しており、15四半期連続の赤字となります。

楽天モバイルの現状と課題

楽天グループの発表資料によると、モバイル事業の売上収益は前年同期比で3.6%増の998億円となりましたが、セグメント損失は719億円(前年同期は1027億円の損失)を計上しました。これは、モバイル事業への本格参入から4年が経過したにもかかわらず、依然として多額の損失を抱えていることを示しています。

 

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モバイル事業の黒字化は、楽天グループにとって喫緊の課題です。三木谷浩史社長は、2024年中に契約回線数を800万から1000万まで増加させる目標を掲げています。現在の契約回線数は3月末時点で633万件と、12月末の590万件から7.3%増加しました。また、解約率も1.7%から1.54%に低下し、契約者の維持が改善されていることが見受けられます。これらのデータは、楽天モバイルが市場で一定の存在感を持ち続けていることを示していますが、依然として黒字化への道のりは険しいです。

 

フィンテック事業と組織再編

楽天グループは、モバイル事業の黒字化に加えて、フィンテック事業の組織再編を進めています。同社は、楽天銀行を中心にしたフィンテック事業の再編を検討しており、これにより資金流出を避けるとともに、巨額の社債償還に対応するための資金調達を目指しています。三木谷社長はフィンテック事業の組織再編について「統合していく計画だ」と述べるにとどまり、具体的な進捗については言及しませんでした。しかし、金融事業のシナジー効果を高めるために、事業戦略上、より垣根がなくなることが望ましいとしています。

フィンテック事業の再編は、楽天グループの財務基盤を強化する重要な一手です。楽天銀行を中心としたフィンテック事業は、すでに一定の成功を収めており、これをさらに強化することで、グループ全体の収益性を向上させる狙いがあります。特に、楽天銀行や楽天証券などの金融サービスは、利用者数の増加とともに収益を伸ばしています。

 

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巨額の社債償還に向けた取り組み

楽天グループは、2024年に2203億円、2025年に4300億円の社債償還を控えており、これが喫緊の課題となっています。同社は今年、ドル建て社債を2度発行し、計38億ドル(6000億円)を調達しました。また、4月には海外市場で円建て私募債500億円を発行すると発表しました。これにより、資金調達を図る一方で、円安進行の中で外貨建ての利払い負担が増加する可能性が高いです。

社債償還のプレッシャーは、楽天グループの財務戦略に大きな影響を与えています。高金利のドル建て社債の発行は、資金調達に成功した反面、利払い負担の増加を招いています。このため、今後の為替リスクや金利動向に対する適切なヘッジが求められます。

 

モバイル事業の戦略と展望

楽天モバイルは、競争の激しい日本市場での存在感を高めるため、サービスの拡充と品質向上に注力しています。最近の技術投資やネットワークインフラの整備は、その一環として行われています。特に、5Gサービスの展開は楽天モバイルの競争力を強化する重要な要素となっています。

また、楽天モバイルは他のサービスとのシナジー効果を追求しており、楽天エコシステム全体の利用者基盤を拡大することを目指しています。これにより、楽天グループ全体の収益力を強化し、モバイル事業の黒字化を実現するための戦略を推進しています。

 

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まとめ

楽天グループは、モバイル事業での苦戦が続く中で15四半期連続の赤字を計上しました。しかし、契約回線数の増加や解約率の低下といったポジティブな要素も見られます。同社はフィンテック事業の組織再編を進め、資金調達を図りながら、巨額の社債償還に対応しようとしています。また、5Gサービスの展開や楽天エコシステム全体のシナジー効果を追求することで、モバイル事業の黒字化を目指しています。今後の楽天グループの動向には注目が集まります。

 

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