銚子電鉄株式会社(銚子市)は、2023年度の決算報告において、純利益が205万円を記録し、3年連続で黒字を達成しました。鉄道事業が依然として赤字を抱える中、副業部門が安定した収益を上げ続けていることが大きな支えとなっています。株主総会は昨年に引き続き、列車内で開催され、出席者たちはユニークな環境の中で議論を交わしました。
本業の鉄道部門
銚子電鉄の本業である鉄道部門は依然として厳しい状況が続いています。年間乗車人員は前年比1.7%減の35万3088人となり、これにより鉄道部門は1億630万円の赤字を計上しました。この減少にもかかわらず、利用者数は安定的に推移しており、業績は徐々に回復基調にあります。しかし、新車両導入に伴う線路維持費用が1080万円増加したことが利益を圧迫しています。これらの費用は将来の安全運行を見据えた投資として重要視されており、鉄道部門の運営において欠かせない要素となっています。
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銚子電鉄は、地域の交通インフラとしての役割を果たし続けています。観光客や地元住民の利用が安定していることから、経営陣は今後もサービスの向上と利用者の増加に向けた取り組みを強化する方針です。具体的には、観光資源を活用した特別列車の運行やイベントの開催などが計画されています。
副業部門の成功
銚子電鉄が黒字を維持できる最大の要因は、副業部門の成功にあります。特に、銚子電鉄の名物である「ぬれ煎餅」などの食品販売が大きな柱となっています。2023年度の副業部門の売上高は5億2416万円で、前年比1.9%減少しましたが、それでも9097万円の利益を上げました。この副業部門の成功は、鉄道部門の赤字を補填し、全体として黒字を確保するための重要な収益源となっています。
副業部門は、地元の特産品やオリジナル商品の販売に力を入れており、インターネット通販や直営店での販売も強化しています。これにより、地域経済の活性化にも寄与しています。特に、「ぬれ煎餅」は観光客にも人気が高く、全国的に知名度がある商品となっています。
総売上高と費用
2023年度の総売上高は前年から2.2%減の6億3693万円でした。過去最高となった前年からの微減ではありますが、依然として6億円超の売上を維持しています。しかし、新車両導入に伴う費用増加や線路維持費用の増加が利益を圧迫しました。これらの費用は、将来の安全運行を確保するための重要な投資と位置付けられています。銚子電鉄は、今後も利用者の安全を最優先に考えた運営を続けていく方針です。
費用の増加に対しては、経営の効率化とコスト削減の取り組みが求められています。具体的には、エネルギー効率の向上やメンテナンスの効率化、新技術の導入などが検討されています。これにより、持続可能な経営を実現し、長期的な利益確保を目指します。
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株主総会の内容
2023年度の株主総会は、昨年同様に列車内で開催され、出席者たちは移動中に議論を交わしました。竹本勝紀社長は「収益を上げるのは大事だが、安全確保のための必要十分な投資が最も大切。得られた利益を輸送の安全確保のために大切に使わせていただきたい」と述べ、今後も「日本一のエンタメ鉄道」を目指して努力していくことを表明しました。
株主総会では、経営陣から今後の事業展開や投資計画についての詳細な説明が行われました。また、株主からは地域社会との連携やCSR活動についての質問や提案が出され、活発な議論が行われました。特に、安全対策の強化や環境への配慮が求められる中で、持続可能な経営を目指す方針が強調されました。
まとめ
銚子電鉄は、鉄道部門の厳しい状況にもかかわらず、副業部門の安定した収益により3年連続で黒字を達成しました。新車両導入に伴う投資が利益を圧迫する一方で、安全運行を最優先に考えた経営方針が功を奏しています。株主総会では、収益の上げ方よりも安全確保のための投資が重要であると強調され、今後も「日本一のエンタメ鉄道」を目指す姿勢が示されました。銚子電鉄の今後の展開にも注目が集まります。
銚子電鉄の成功は、副業部門の強化と地域社会との連携によるものです。特に、地元の特産品を活用した事業展開は、地域経済の活性化にも寄与しています。今後も、利用者の安全と満足度を最優先に考えた経営を続け、持続可能な成長を目指していくことが期待されます。