飲むヨーグルト「乳酸菌飲料の急成長」で窮地に追い込まれる、復権の道を見つけることができるか?

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飲むヨーグルトは乳酸菌飲料の急成長によって市場シェアを奪われつつある。飲むヨーグルト市場がこのまま縮小し続けるのか、それとも復権の道を見つけることができるのか。現状と今後の展望について探ってみたい。

乳酸菌飲料の急成長と飲むヨーグルトの苦境

昨年10月、明治は「明治ブルガリアのむヨーグルト 900g」の製造・販売を終了した。その背景には、「個食化が進み、大容量品の消費量が減少しているため」との説明がある。しかし、代替品として発売した400グラムの商品も売り上げは計画値に届かず、厳しい状況が続いている。森永乳業も同様に、「ビヒダス のむヨーグルト」(900グラム)の製造・販売を終了しており、市場全体としても飲むヨーグルトの販売金額はこの6年間で17%も減少している。

 

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一方、乳酸菌飲料市場は急成長を遂げている。調査会社インテージによれば、2023年の乳酸菌飲料の小売店販売金額は1341億円に達し、ヤクルト本社の「Y1000」が市場拡大の牽引役となっている。飲むヨーグルト市場は2023年の販売金額が1443億円で、乳酸菌飲料に追い越されるのは時間の問題とされている。

 

健康志向と味の二律背反

飲むヨーグルトの市場縮小の一因として、健康志向の消費者が乳酸菌飲料に流れていることが挙げられる。機能性表示食品制度の導入により、「睡眠の質向上」や「ストレス緩和」など具体的な機能を訴求する乳酸菌飲料が人気を博している。飲むヨーグルトはこれに対抗する形で新しい機能を打ち出しているが、消費者の選択肢が広がったことで競争が激化している。

 

飲むヨーグルトの強みとその訴求方法

飲むヨーグルトには多くのメリットがある。乳酸菌数や酵母数が多く、タンパク質や炭水化物、ビタミン、ミネラルも豊富に含まれている。これらの価値を消費者に効果的に伝えることができれば、市場でのポジションを再確立することが可能だ。しかし、乳酸菌飲料と比較して広告宣伝費用が限られているため、その強みが十分に伝わっていない。

 

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メーカー各社の反転攻勢

飲むヨーグルトメーカーは、健康面の価値を訴求するために新たな戦略を展開している。例えば、明治は「明治プロビオヨーグルトR-1ドリンクタイプ The GOLD」を発売し、従来品の2倍の「R-1乳酸菌EPS」を配合した高付加価値商品を提供している。この商品は少し高価だが、健康を重視する消費者には受け入れられている。

森永乳業は、味を重視する消費者に向けた商品展開を進めている。コロナ禍の影響で健康志向が高まった反動として「健康疲れ」を感じている消費者も多いことを見越し、デザート系の飲むヨーグルトを提案している。昨年9月に発売した「マミーのむヨーグルト」は好調で、ピーチ風味の商品も追加している。

 

まとめ

飲むヨーグルト市場は乳酸菌飲料の急成長に押されて苦境に立たされているが、その強みを生かした新たな価値提案によって復権の可能性を秘めている。健康面と味の両面から消費者にアピールし、マーケティング戦略を見直すことで、飲むヨーグルト市場は再び成長軌道に乗ることが期待される。メーカー各社の取り組みが功を奏し、飲むヨーグルトの価値が消費者に広く伝わる日が来ることを願ってやまない。

 

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